家庭菜園などをする中で、植物に肥料を与えることは一部の栽培法を除いて比較的一般的なことかと思いますが、毎回、有機系の肥料を与えるたびに、ある変化が起こります。結論を先に言うと、有機肥料のペレットに白い綿毛が生えてきたり、黄色いカビのようなものが生えてくるのは正常です。詳しく解説します。
有機肥料にカビが生えても大丈夫?結論と見分け方
結論:白いカビは「発酵」の証拠なので全く問題ありません
ペレット状の固形有機肥料に生じる白い綿毛のようなものは、カビではなく土壌の有効菌であり、肥料が分解されて植物の栄養に変わる正常なプロセスです。
ペレット状の固形有機肥料はそのままで肥料の効果があるわけではなく、分解されてようやく栄養に変わるのです。はじめは驚くかもしれませんが、全く問題ありません。
白いカビが生えたら「そのまま放置」で大丈夫?

カビのようなものを見つけても、それが白や薄い黄色であれば、取り除く必要は一切ありません。そのまま土に馴染ませておいて大丈夫です。 もしベランダなどで見た目がどうしても気になる場合は、園芸用の小さなスコップや割り箸などで、肥料を周囲の土と軽く混ぜ合わせて(中耕して)土の中に混ぜ込んでしまいましょう。数日経てば自然と土と同化して目立たなくなります。
要注意!放置すると危険な「悪いカビ(腐敗)」との見分け方
正常な発酵は白やうっすらとした黄色で異臭はしませんが、ドロドロに溶けて悪臭を放つ状態は腐敗です。 悪玉菌が繁殖してしまう腐敗が起こると、植物の根を傷めて枯れさせてしまうこともあります。
目の前のカビが「良いカビ(発酵)」か「悪いカビ(腐敗)」か迷ったら、以下の特徴をチェックしてみてください。
【植物に無害な「発酵」のサイン】
- 色は「白」や「薄い黄色」の綿毛状
- 形はフワフワ、または粉っぽく乾燥している
- 臭いはほぼ無臭、または土やキノコのような匂い
【放置すると危険な「腐敗」のサイン】
- 色は「黒」や「どす黒い緑・茶色」
- 形はドロドロに溶けて粘り気がある
- 臭いはドブや生ゴミのような強烈な悪臭
私は過去に大量に、一か所にまとめて与えた経験があるのですが、有機系の肥料や土壌改良材を大量に投入したところ、それが腐敗してしまったのです。それ以来施肥はかなり慎重になりました。
万が一「腐敗」してしまったときの対処法
もし肥料が一箇所でドロドロに溶け、ドブのような悪臭を放つ「腐敗」の状態になってしまった場合は、すぐにその部分の土を肥料ごと大きめにすくい取って処分してください。
腐敗した場所は酸素が不足し、根腐れを引き起こす有害なガスが発生している可能性があります。肥料を取り除いた後は、数日間は水やりを控えめにして土の風通しを良くし、株の様子を観察しましょう。
なぜ有機肥料はカビる?植物が元気に育つ仕組み
有機肥料が植物の栄養に変わる「分解」のプロセス
化学肥料とは違い、有機肥料は微生物に分解されて初めて植物に吸収される形の栄養分になります。
白いふわふわしたものの発生は微生物が分解している証拠であり、土が生きていることの証明であるとも言えます。
微生物に分解されてようやく植物が吸収できる状態になります。
土をふかふかにする「団粒構造」へのメリット
微生物が活発に動くことで土壌の粒子が結びつき、水はけと水もちの良い「団粒構造」ができます。これが有機肥料のメリットの1つでもあります。
見た目が気になる方へ!有機肥料のカビ・コバエ対策

有機肥料は分解の過程で見た目がカビのようになり、更にはコバエをおびき寄せることもあります。
それらを防ぐための方法を3つ紹介します。
対策1:肥料を土のなかに深く埋め込む
最も効果的な方法は土に埋める方法です。土を少し掘り返して中に埋め込んでしまえば露出していない状態になるので白い毛ワタを見ることもありませんし、コバエの発生も防げます。
掘り返すのが困難な場合は施肥後に上から土をかけておくとよいでしょう。そうすることで外から見えにくくなりますしコバエなどの発生も抑えられます。
対策2:表面をマルチング材で覆う
施肥後に表面をバークチップなどのマルチング材で覆う方法もあります。マルチング材で覆うことで物理的に白い綿毛などは見えにくくなりますし、コバエを防ぐ効果もあります。
対策3:室内栽培では「化成肥料」に切り替える
インテリア性を重視する室内の観葉植物などでは、無理に有機肥料を使わず、臭いやカビのリスクが極めて低い化成肥料を使うほうが向いています。化成肥料なら固形のタイプでも液肥のタイプでも問題ありません。
有機肥料で失敗しないための正しい与え方と保管方法

一箇所に固めず、分散させて適切な量を施肥する
肥料は一か所に固めておいておくのではなく、分散させます。植木鉢なら外周に沿って施肥すると良いです。逆に根元に固めておくと植物が枯れることもあります。根元から離れた場所に施肥します。分散させることが大切です。
適切な量を適切なタイミングで施肥する必要があります。少ない分には悪影響は出にくいので、心配な場合はパッケージなどに書かれているよりも少ない量を施肥して、様子を見ると良いと思います。過ぎたるは及ばざるがごとしです。
特にベランダ菜園で注意したい「梅雨時期」の施肥
私は長年ベランダで植物を育てていますが、特に「梅雨の時期」や「連日雨が続くタイミング」での有機ペレット肥料の追加は避けるようにしています。
ベランダはただでさえ風通しが滞りやすく、湿度が高い時期に有機肥料を撒くと、発酵を通り越して一気に腐敗へ傾くリスクが高まるからです。雨が続く予報が出ているときは、有機肥料ではなく、一時的にサッと吸われる液体肥料(液肥)で対応するなどの工夫をしています。慎重な私は液肥も既定の2倍ぐらいさらに薄めて施肥することが多いです。
肥料のパッケージは密閉し、高温多湿を避けて保管する
使用前の肥料袋に湿気が入ると袋の中でカビや変質が始まってしまうため、開封後はジッパー付きの袋に入れるなど、直射日光と雨風を避けた保管が必須です。
まとめ:有機肥料のカビは自然のサイクル!上手につき合おう
有機肥料に発生するカビに驚く必要はありません。正常な範囲のカビならむしろベランダ菜園などでは大歓迎です。
室内では化成肥料を使い分けるなど、特製を理解して園芸を楽しむことが大切です。
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